われわれの思索の対象におかれるものは、大きくわけて自然がつくった世界と人間がつくった世界の2つにすることができる。そこで学問の上では、前者の自然を対象とする科学を自然科学、後者の人間のつくった世界すなわち経済や社会や文化の世界を対象とする科学を人文科学または社会科学に分けられる。自然科学の成立は、ガリレイやニュートンなどの著名な数学者や物理学者が輩出した16世紀ごろに、自然の事象を数学や物理の理論を用いてより精密に究明する契機をつくったころに求められる。
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社会科学はそれより遅れて、17、18世紀ごろイギリスにおいて、ついで18世紀にフランスにおいて、さらに遅れて19世紀にドイツで成立したというのが通説である。ここで、科学の方法はどのようにするかが問題になるのであるが、科学とはひとくちにいって経験を土台として普遍妥当な方法を追求し実証するものであるから、その経験や理論的概念をどのように関連づけるかということが科学の方法ということになる。自然科学では、人間の客体としてこれを観察することができるし、人間以外に実在する物質であるから、客観的に数量的に測定が可能であり、数学、物理の理論を駆使して一義的に追求することができる。自然科学が、帰納と演絆の論理によって急激に論証の道を閃き、発達したゆえんはそこにある。