農地は都市の環境保全の面でたいへん大切な存在である。それは、きわめて不十分ながら、イギリスや西ドイツの都市のようにグリーンベルトの役割を果たしているのである。昭和三十年代以降豪雨がないが、そのうちに集中豪雨や雨台風が来たら、東京や大阪、名古屋、神戸などでは氾濫・浸水が起こるのではないだろうか。いままで雨水を吸い込んでいた農地や山がなくなっているわけだから。これは一例にすぎない。大都市の生活環境にとって、農地がどんな役割を果たしているのかを、広い視野から考えていく必要性がある。
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農地がまったく転用されないということはないかもしれない。その場合は、地域の住民、つまり農民と消費者、自治体、農協が一緒になって、土地をどう利用し保全していくのかを相談し計画をつくるべきである。そういうことを積み重ねていく中で、上から押しつけてくる土地臨調とか「民活」による生活破壊の「土地政策」に対抗するエネルギーが生まれてくる。そういう土地デモクラシーを地域の人がどうつくっていくかという点で非常に大事なことは、土地に関する情報公開であろう。国公有地がどこにあるか、どこで誰がどんな取り引きをしているか、誰が所有しているかといった情報の公開である。それによって住民が地域の土地利用に目を向けること、それは保守とか革新とかいうことでなしに、まさにデモクラシーの基盤である。